80年代のアルバムランキングと曲のランキングの投票企画をまたやり始めて、今月(6月)はそれの立ち上げと集計作業で忙しすぎて、全然ブログ書けませんでしたね。
ただ集計で皆さんが投票してくれたもので聴いたことないものとかを、この機会に聴いていたりしてたので、忙しかった割には新しい出会いや発見の多かった一月でした。
“Streets Of Your Town” The Go-Betweens
前述の80年代企画で知ったバンドの曲です。とにかくこの曲何回も聴いてました。
ジャングリーでドリーミーなギターポップナンバーで、2000年代から活躍するアメリカのドリームポップバンド、Real Estateっぽい雰囲気があるんですよ。
なので同バンド好きな方にはおススメです。
Real Estateと違って男女混合ボーカルでPrefab Sproutっぽい雰囲気もあって、両バンドとも僕大好きですからそりゃハマるよなと思いました。
The Go-Betweensはオーストラリアのブリスベン出身のバンドで、この曲は1988年にリリースされました。
それなりにヒットしたみたいですが、チャートを賑わすにはちょっと地味だと思います。
しかし、爽やかなんだけどどこか憂いがあるこの感じは、いちど気に入ったら抜け出せない魅力があると思うんで、そういうところが当時もじわじわとウケていそうですよね。
この曲はずっと聴き続けるような気がします。
”Rush” Big Audio Dynamite II
Big Audio Dynamiteはクラッシュのミック・ジョーンズがクラッシュ脱退後に結成したバンドなんですよね。
ミック・ジョーンズ大好きで、クラッシュの中でも彼が歌ってるロマンティシズムと情熱と切なさが同時に発露しているような曲が凄くすきなんですけど、Big Audio Dynamiteは昔ちらっと聞いて、なぜかピンと来ず、ずっと聴いてなかったんです。
クラブカルチャー由来のダイナミックなビートのうえに、ロック全開なギターとミックのヘロヘロな歌が絡みあってなんとも言えない味わいがあっていいです。
サンプリングを大体に導入している曲でもあって、The Whoの「Baba O’Riley」のシンセのフレーズとかが挿入されたりします。
ミックが在籍していたクラッシュ自体がもう、当時のいろんな音楽を咀嚼して自分たちのオリジナリティを発揮していたバンドなんで、この大胆なサンプリングとかも、自然な流れですよね。
クラッシュはそもそもラップやヒップホップがチャートを席巻する前(1980年)にラップをやっていたぐらいのバンドなんで。
まあ、でもなんと言ってもこの曲の一番の魅力はやっぱりミックのボーカルですかね。
一般的に歌がうまいって評されるよなシンガーではないんですけど、そのハスキーなかすれ声で、ロマンティックなメロディーを歌われるとグッと来ちゃいますし、イントロとかのわざとちょっと外したような投げやりな歌い方も、ここでしか聴けない歌という感じでいいんですよね。
“Disintegration” The Cure
キュアーは正直ベスト盤ばかり聴いてまして、オリジナルアルバムでちゃんと聴いていたのはめちゃくちゃ暗い『Faith』と『Kiss Me Kiss Me Kiss Me』ぐらいだったんですよね。
名盤の誉れ高い『Disintegration』も何度か聴いていたんですけど、正直あんまりピンと来ていませんでした。
しかし、今回『Disintegration』のこの表題曲を聴いて見事にやられてしましましたね。
ずっと同じコード進行を繰り返して、それが8分という結構長い間ずっと続くという、ややもすれば退屈してしまいそうなんですけどそうはなっていないんです。
それは、一つ一つの想いを込めて振り下ろされているような力強いスネアの響きだったり、ボーカルのロバート・スミスの切実な歌唱だったり、歌メロと同じくらい、ひょっとしたらそれ以上に印象に残るシンセの切ないフレージングだったりが、楽曲の緊張感を途切れさせないので、ずっと聴けちゃうどころか、何度もリピートして聴いてしまいます。
「Love is Over (Tomggg Remix)」chelmico
言わずと知れたRachelとMamikoからなる日本のラップ・デュオ、chelmico。
正直彼女たちの曲をまともに聴くのはこれが初めてでした。
Twitterで何回か宣伝が流れてきてて、フォローしている方でも何人か聴いてる方もいたんですど、最近はそうでもないのかもしれないですけど、メディアがPushしているアーティストはあんまりよくないな…みたいな経験を2000年代にかなり経験してきたんで、宣伝が流れてくる時点で興味を失ってたんですよね。
それで、今回Spotifyのおススメかなんかで偶然聴いたんですけど、イントロのポップなシンセサウンドと「さあパジャマを脱いで、街へと出かけよう」っていう歌いだしでもうやられちゃって。何度も聴いてますね。
うまくいっていない恋愛はすっぱりと断ち切って、前に進もうっていう曲なんですけど、そういう前向きな決意みたいなものがよく表れてる歌いだしで、そこだけでもかなりグッときました。
新しい自分になるという決意的なものっていうのは普遍的なテーマの一つだし、恋愛がテーマではあるけれども、そういう意味では結構広い共感を得そうな曲だと思います。
降神やFishmansの歌詞とか曲名の引用とかも入ってきて面白いです。
今回ご紹介するのはリミックスバージョンで原曲よりもかなりポップテイストの近いミックスになっていて、歌の入り方もよりPOP寄りになってて非常にキャッチーな仕上がりになってます。
おすすめです。
「Fantasy」大和那南
これもSpotifyで偶然聴いた曲。『夜明け前(BEFORE SUNRISE』というデビューアルバムに入っているみたいです。
彼女は早稲田大学の学生で、2021年にこの作品でアルバムデビューしたシンガーソングライターのようです。
ジャケットの感じとかもモノクロで、80年代とかの古いアングラなポップス的なジャケットにも見えるという。
音楽性もどこか懐かしさのあるメロディーをもっているんだけれでも「つぎはぎ的な唐突な展開、けれど不細工なちぐはぐ感はない」というのが非常に今っぽいテイストで、ノスタルジーを掻き立てながらも新しさはちゃんとあるみたいな音像がなかなか不可思議で何回も聴いていました。
これはこれで完成されている気がするのでこの後のアーティストとしての展開が気になりますね。
その他
6月の後半からは、S音楽評論家の田中宗一郎さんとモデルの三原勇希さんがやられている、POP LIFEというpotifyのPodcastをずっと聞いていました。
冒頭でも書いたとおり、80年代の投票企画をずっとやっていまして、6月はその集計で忙殺されて集計作業ばっかりやってて、その作業中に聞いていました。
音楽に限らず、映画や漫画、TVドラマなども取り上げるPotcastでして、意外とタナソーさんと音楽的な価値観が似ているとおもいました。
FishmannsとYogee New Wavesが好きなのでYogeeのメンバーが出演している回や、関係者の方を招いてのFishmans回とかをきいていました。
一回60分ぐらいあるんで、なにか作業しながら楽しむにはちょうどよかったです。