みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100【2020】やファン273名が選んだGRAPEVINEアルバムランキングに続く、Twitter投票企画第3弾です。
今回は80年代に発表されたアルバムの中で、個人的にこれは凄いと思うものを30枚選んでランキングをつけてもらい、その集計で80年代のアルバムベスト100ランキングを作るという企画です。
条件をざっとおさらいすると。
- 集計期間 2021年6月10日から6月19日午後10時まで
- 80年代に発表されたアルバムを30枚選び「順位をつけて」一人一回投票
- 1位は30点、2位は29点……30位は1点としてカウントして集計。得点の多いアルバムから順位をつける。
選盤に、選んでくれる人の批評性が反映されるように順位をつけてもらうように設定しました。30枚選んで順位をつけるというのは結構な労力なんで、選ぶほうも真剣さが必要になってきます。僕はそういうランキングが見たかったのでこのようなデザインにしました。
*同時に80年代の曲も30曲選んでいただきましたのでこちらも後日結果を発表いたします。
以下選盤のルールです。
- 1980年1月1日から1989年12月31日までに発表されたアルバム。
- 邦楽洋楽問いません。非英語圏でも80年代ならOKです。邦楽だけ、洋楽だけでもOKです。
- 1アーティスト、1バンドにつき2枚まで。ただし、1アーティストの参加アルバムが2枚を超えるのはOK。例えば、YMO2枚、細野晴臣ソロ2枚、坂本龍一ソロ2枚選ぶのはありです。
- ミニアルバム、EP、ライブ盤、編集盤、リミックス盤、ベスト盤、サウンドトラックも発表が80年代ならOKとします。つまりNew Orderの『Substance』やThe Smithsの『Hatful of Hollow』もありです。ただし、内容が70年代以前のものが半数以上の作品は不可としました。
- 発表年はあくまでも初めてリリースされた日にしたいと思います。例えばRolling Stone誌では過去にThe Clashの『London Calling』をアメリカ発売が1980年だったため、80年代のアルバムとしていましたが、発出は1979年ですので、当該作品は投票不可です。
結果的に自分も含めて156名の方にご参加いただき、総アルバムエントリー数は1636枚になりました。
100位以内で同点が何枚かありましたが、同点の場合は「投票数が少ないほう」つまり、より高順位に選んだ人が多かった方を上位にしました。選者の熱意、思い入れが何よりも重要だと僕は考えていましたので、そのようにしました。
なぜ今更80年代アルバムベストなのか?
Twitterにも掲載した前書きになります。さっさと結果をチェックしたい方はこちらからどうぞ。
#みんなが選ぶ邦楽オールタイムベストアルバム100_In2020 をやってから丁度10ヶ月経ちました。
実はその企画をやっている途中から、予想外に企画の反響が大きく、また出来上がってきたランキングも非常にしっかりした物になっていったので、「また別の企画をやりたい」と思い始めました。
洋楽オールタイムだと範囲がデカすぎるので、ある程度範囲を絞ってやった方が面白そうだと思い「80年代ベストならどうか?」と考えていました。しかし、邦楽オールタイムをやっている最中に他の方の洋楽オールタイムが始まってしまい、そうこうしているうちに色んなランキングが乱立していきましたのでランキング熱がある程度冷めてからやろうと思い、ひとまず80年代企画は発表を見合わせました。
というか、企画以前に主催者として自分の80年代に対するスタンスをはっきりした方がいいと考え(邦楽のオールタイムも自分のベスト100が先でした)、集中してその時代の曲、アルバムをなるべく多く聴き、6ヶ月ぐらいかけて自分の80年代アルバム、曲のベスト30をつくり、先日発表しました。
何故今更80年代のランキングなのか?
言うまでもなく2010年代は80’sリバイバルの流れがあったディケイドでもありました。
その流れの中で従来軽視されてきた80’sのアーティストが再評価されたり、重要視されるアーティストが変わってきた様にも思います。
という事で10年代が終わった今、改めて80年代はどんな時代だったか、今どんなアーティストが評価されるようになったのか、みなさんと一緒に振り返って見てみたいと思ったんですよね。
それが今回ターゲットを80年代にした理由です。
90年代でやった方が盛り上がるのは明らかですが、今やる事に意義があるのは80年代だと思っています。
そして、洋楽だけの80’sランキングなら、Pitchforkだったり、Rolling StoneだったりNMEで最新のランキング見ればいいと思うんですよ。
でも、ここ日本じゃないと見れないランキング、作れないランキングをどうせならやりたいと思ったので、邦楽と洋楽の垣根なしにしました。
過去にミュージックマガジンが実は似たような事やってましたが、同誌で取り上げた盤のみという制約もあったし、曲の投票もなかったので、誰も見たことのないランキングになったと思います。
前置きが長くなりましたが、いよいよランキングの発表です。
100位 『DON’T TRUST OVER THIRTY』ムーンライダーズ 1986年
結成10周年での10枚目のオリジナルアルバム。 タイトルは60年代のヒッピームーヴメントのスローガンから。
99位 『Power, Corruption & Lies』New Order 1983年
前作よりもより電子音楽に接近したセカンドアルバム。邦題『権力の美学』。ジャケットはアンリ・ファンタン=ラトゥールの絵画より。
98位 『Bleach』Nirvana 1989年
90年代を代表するロックバンド、ニルヴァーナのデビューアルバム。大ヒットしたセカンド『Nevermind』よりもメタル色が強くかなり重たい仕上がりになっている。セカンドが出る前は4万枚ぐらいの売り上げだった。
97位 『Perspective』P-MODEL 1982年
近年再評価著しいP-MODEL、4枚目となるスタジオ・アルバム。サウンドプロダクションに重きを置いた一枚。
96位 『Control』Janet Jackson 1986年
自身初の全米No. 1を獲得した3枚目のスタジオ・アルバム。本作からジャム&ルイスを中心としたプロデューサー陣を迎え制作された。ジャム&ルイスの快進撃もここから始まるという意味でも重要な一枚。
95位 『Lifes Rich Pageant』R.E.M. 1986年
アメリカを代表するバンドだったR.E.M.の代表作の一枚である4枚目。John MellencampのBelmont Mall Studiosで収録された。
94位 『If I Should Fall From Grace With God』The Pogues 1988年
アイルランドの伝統的なケルティックミュージックとパンクを掛け合わせたアイリッシュフォークパンクバンド、ポーグスの代表作。Kirsty MacCollとのデュエットで永遠のクリスマスソング「Fairytale of New York」収録。
93位 『Skylarking』XTC 1986年
トッド・ラングレンをプロデューサーに迎えて制作された一大ポップ絵巻の8枚目。トッドとアンディ・パートリッジの諍いが絶えない凄惨なレコーディングだったとは思えない美しい一枚。
92位 『Colour by Numbers』Culture Club 1983年
ブラックミュージックをベースにしたポップソングで一世を風靡したイギリスのポップバンドの2作目。実はかなり多彩な音楽性をうまく調理してポップに響かせたアルバム。大ヒットシングル「カーマは気まぐれ」収録。
91位 『Document』R.E.M. 1987年
その後長きに渡って仕事をしていくScott Littと初めて組んだ5枚目。その後の大ヒットや名実ともにアメリカを代表するバンドとなる布石になった一枚。