よくアニソンベストランキングとかTVやネットでやってるけど全然自分の好きな曲が入ってなくて不満なんで、前々からアニメソングのベストリスト作ってみたかったんですよね。
しかし、なにげに面倒くさかったのでいままで放置していました…。
実は今回Twitterでフォロワーさんがアニソンランキングを企画されてまして、投票のためにやっと重い腰を上げて、アニソン名曲ランキングを作ってみました!
かなり時間かけて選んだのでなかなか凄いリストができたと自負しております。
選出基準を自分なりに設けました。
①アニメーション抜きで曲だけで十分鑑賞に耐えうるもの、何回も聴けるものであること
②できるだけアニメの内容を受けて作られた曲であること。
①やっぱり流れてる映像のかっこよさやアニメの内容でグッとくる曲ってありますね。今回はなるべく曲だけ聴いても十分かっこいいもの、成立するものを選びました。たとえば『涼宮ハルヒの憂鬱』の「冒険でしょでしょ」は躍動感あふれる映像込みなら自分の中ではかなり高順位なのですが、なしでは惜しくもランク外でした。
②これはアニソンといっていいのか?って微妙な曲ありますよね。例えばWANDSの「世界が終わるまでは」は『スラムダンク』のED曲として人気のアニソンにカウントされますけど、アニメの内容に特に歌詞などが関わりがあるわけではありません。確かに名曲なんですけどアニメのために書き下ろされたわけでもないですし、歌詞もアニメの内容と関連が薄いのでこういう曲は除外するか、順位を下げました。
なお年号は初出年を記載しています。
という事で早速どうぞ!
- 30位『とっても!! ラッキーマン』1994年「ラッキーマンの歌」八代亜紀
- 29位『ゲゲゲの鬼太郎』1985年「おばけがイクゾー」吉幾三
- 28位『日本昔ばなし』1984年「にんげんっていいな」中島義実
- 27位『機動戦士ガンダムSEED』「FIND THE WAY」 中島美嘉
- 26位『攻殻機動隊』「謡I – Making of Cyborg」川井憲次
- 25位『キテレツ大百科』1992年「お料理行進曲」YUKI
- 24位『幽遊白書』1992年「微笑みの爆弾」 馬渡松子
- 23位『ガッチャマン』1972年「ガッチャマンの歌」子門真人
- 22位『BACCANO!』2007年「Guns and Roses」Paradise Lunch
- 21位『フルメタルパニック!ふもっふ』2003年「君に吹く風」下川みくに
- 20位『ドラゴンボールZ』1989年「CHA-LA-HEAD-CHA-LA」影山ヒロノブ
- 19位『カウボーイビバップ』1998年「Tank!」シートベルツ
- 18位『彼氏彼女の事情』1998年「天使のゆびきり」福田舞
- 17位『ちびまる子ちゃん』1990年「ゆめいっぱい」 関ゆみ子
- 16位『機動戦士Vガンダム』1993年「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」川添智久
30位『とっても!! ラッキーマン』1994年「ラッキーマンの歌」八代亜紀
沖のカモメにふかし芋取られてついてねぇ
演歌界のレジェンドにいきなり何を歌わせてるんだという曲ですけど、アホみたいな歌詞をめちゃくちゃ歌上手い人に歌わせる醍醐味というか伝統みたいなものがアニソン界にあって、例えば西城秀樹さんが歌った『ちびまる子ちゃん』のエンディング曲「走れ正直者」とかそうだとおもうんですよね。その最たるものがこれなのかなと。
金田伊助さんという有名なアニメーターの方が演出を手掛けた、ダイナミックな動きのオープニングアニメも見どころです。
29位『ゲゲゲの鬼太郎』1985年「おばけがイクゾー」吉幾三
『ゲゲゲの鬼太郎』でアニソンといえば、歴代歌い継がれてるオープニングテーマなんですけど僕はエンディングのコレが好きなんです。実はオープニングの曲もこのとき吉幾三さんが歌を担当してて、しかもこのエンディング曲、本人の作詞作曲なんですよね笑。それでタイトルが自分の名前をかけた「おばけがイクゾー」(笑)。この時点で結構面白いんですけど、歌詞の内容も秀逸なんです。
ヘェヘェヘェ ヘェヘェヘェ ヘェヘェヘェ おばけの世界はナ~ ヘェヘェヘェ ヘェヘェヘェ ヘェヘェヘェ 有るさ お前の家のそば 言うこと聞かない 悪い子は 夜中 むかえに 来るんだヨ
このヘイヘイヘイの部分とかなんとなく北島三郎の「与作」っぽくて面白いんですけど、このユーモラスな呼びかけに、対して「言うこと聞かない 悪い子は 夜中 むかえに 来るんだヨ」と脅しをかけてくるという(笑)。
奇怪だけどどこかおかしいシンセのサウンドもそうなんですけど、ユーモアとホラーが同居したなんとも味わい深い名品だと思います。
そして、昔の怪談とか民話ってある種の教訓譚で、子供とかの躾とかに利用されてきたと思うんですけどこれもそれを踏襲してますよね。そういう意味でも案外深い作品。
水木先生の点描画が美しく、最後にオチもまっているアニメーションも最高です。
28位『日本昔ばなし』1984年「にんげんっていいな」中島義実
若干擦られすぎて陳腐化した感もあるアニソン界の童謡的名曲。イントロのどことなく中華風のシンセサウンドと全体的に深いリバーブがかかった様なユートピア的な、ある意味Vaporwave的なサウンドプロダクションがいいですね。コレ、音源とかで聴くと、この深いエコーがかなり浅くなってたりしてコレジャナイ感あるんでしょうね。アニソンによくありがちなんですけど、TVで見ていて良いなと思ったものを音源で聴くとそうでもなかったりするという。やっぱりテレビの必ずしも良くない音質で聴くこともアニソンマジックの一つですよね。
歌詞も日常の一コマを切り取って圧倒的に肯定していくことで人々の営み自体を肯定していく人間賛歌になっています。
コレを詩的に深くしたのが矢野顕子の「ラーメン食べたい」とか「ごはんができたよ」とかではないでしょうか。
27位『機動戦士ガンダムSEED』「FIND THE WAY」 中島美嘉
古くからのガンダムファンにはめちゃくちゃ叩かれたガンダムSEED、SEED Destinyですが(通称「種」、「種死」)、僕は結構好きなんですよね。曲も良いものが多いし。その中でも一番好きなのがこの曲ですね。
とにかく壮大なバラードでアニメの内容への直接的な言及は無いものの、悩みながら成長していく主人公達や宇宙という舞台にマッチしたスケールの大きい名バラードだと思います。
26位『攻殻機動隊』「謡I – Making of Cyborg」川井憲次
押井守監督の名作劇場アニメ『攻殻機動隊』のオープニングシーンに使われた一曲。その名の通りサイボーグが造られていく過程を追ったオープニングアニメーションのバックで流れています。
実写映画の『ブレードランナー』や小説『ニューロマンサー』は、暗くて汚れた街並みに日本的な「和」のテイストを取り入れたディストピア的な未来観で、有名なんですけど、映画『攻殻機動隊』の世界観もそれらのSFの古典的名作から影響を受けていて、テクノロジーと「和」の融合が顕著に見られます。
この曲は民謡的な歌唱や擬古文的な歌詞、鈴などのなりものを駆使した、正にそんな「和」のテイストをふんだんに取り入れた楽曲で、それらの和楽器的な古風なサウンドがサイボーグのメイキングシーンのバックで流れることで、その行為自体に呪術性を持たせるというか、なかなか面白い効果になっていると思います。
25位『キテレツ大百科』1992年「お料理行進曲」YUKI
藤子・F・不二雄の名作アニメの主題歌。と言ってもこのような長寿アニメのオープニングに良くあるような登場人物の名前を連呼するタイプのやつとかじゃなくて、コロッケの作り方をそのまま歌詞にしたかなりぶっ飛んだ内容。
本編との関連で言ったらコロ助がコロッケ好きということぐらいですかね。画期的衝撃的なアニソンです。
あまり知られていないですが、実は2番もあってナポリタンの作り方を歌にしてます。
そして『キテレツ大百科』といえば「はじめてのチュウ」の方が有名で、勿論名曲なんですけど、今回はインパクトとオリジナリティの高いこちらを選びました。まぁ「はじめてのチュウ」もインパクトもオリジナリティーも両方ある楽曲なんですけどね。
24位『幽遊白書』1992年「微笑みの爆弾」 馬渡松子
昔はエンディングの「アンバランスなキスをして」の方が好きだったんですけど、今は断然こっちですね。コンプレッサーがバッキバキにかかったパキッとしたカッティングギターサウンドが気持ち良い一曲で、ファンキーなんだけどニューウェーブっぽさもあって、BOØWYとかパーソンズのギターサウンドっぽいです。これが好きな方はパーソンズ聴いてみてほしいですね。
最後の「ありがとうございーます!」もなかなかインパクト大でついつい真似したくなります(笑)。
23位『ガッチャマン』1972年「ガッチャマンの歌」子門真人
この時代のアニメや特撮主題歌のアレンジの格好良さがギュッと詰まった様な名曲の名演だと思います。
子門真人さんといえば「およげたいやきくん」ですけど、この曲のほうがかっこよさではもちろん数段上ですね。
実は28位の「にんげんっていいな」もそうなのですが、タレントとしても有名な小林亜星作曲で、ブラスセクションを大胆にフィーチャーし、音数の多いパーカッション、ファンキーなカッティングで魅せるギターなど、ファンク感溢れるダンサブルでカッコいいアレンジが痺れます。
22位『BACCANO!』2007年「Guns and Roses」Paradise Lunch
バンド名はパラダイス・ランチはライクーダーの名盤から来ているんですかね。管楽器主体のジャジーでカッコいいインストナンバー。これは曲も勿論最高にクールなんですけど、ガイ・リッチーの映画『スナッチ』のオープニングを真似したアニメーションとの相性が抜群なので是非ともアニメをチェックしてもらいたいです!
21位『フルメタルパニック!ふもっふ』2003年「君に吹く風」下川みくに
サンタナの「The Game of Love ft. Michelle Branch」にめちゃくちゃそっくりなんですけど大丈夫なんですかね…。
ここまでそっくりだとかえって清々しい(笑)。とは言え名曲でなんだかんだで結構聴いてしまっている曲です。
原曲?のラテンの熱さや妖しさみたいなものはこの曲では殆どなくなっていて、ひたすら爽やかにアレンジされてますね。
まあただの偶然でしょうね。
『フルメタルパニック!ふもっふ』はオープニングも下川みくにさんが歌っていて、そちらも名曲ですので是非。
勿論京アニが手がけているアニメ本編もラブコメの名作ですのでオススメです。
20位『ドラゴンボールZ』1989年「CHA-LA-HEAD-CHA-LA」影山ヒロノブ
アニソンのイデアみたいな曲ですよね。とにかくテンションの高い曲で、素早いパッセージのシンセで始まるイントロから、最後のSparkingの掛け声まで、ずっとワクワクさせてくれる曲。起承転結がはっきりしていて落ち着かせるところと盛り上がる所がはっきりしており、まさに1分30秒のアニソンの理想系と言えると思います。
その短い尺の中でいかに視聴者を飽きさせずに惹きつけていられるかが、求められますからドラマチックでキャッチーな曲が多いというのもアニソンの魅力かと。それに加えて毎週聴いても飽きない曲である事も求められますから、結構ハードルが高いんです。そんな条件をクリアした曲だけが選ばれるアニソンが良くないわけはないのです笑。
この曲はもちろんTVサイズでなくてフルで聴いても素晴らしいです。ドラゴンボールシリーズは名曲が多いので、他も是非チェックしていただきたいですね。
19位『カウボーイビバップ』1998年「Tank!」シートベルツ
海外での評価も高い名作アニメ『カウボーイビバップ』のオープニングテーマでめちゃくちゃ格好よいジャズインスト曲。インストアニソンといえば「ルパン三世のテーマ」が有名ですが(ほんとは歌あるんですけど)、菅野よう子さん作曲のこの曲も今となっては勝るとも劣らないぐらいの知名度と人気があります。
菅野さんは『攻殻機動隊』のTVアニメ版や『∀ガンダム』など様々なアニソンを手掛けてます。ビバップの他の曲もそうなんですけど様々な音楽の博覧会のような引用と編集でできてるような音楽性が特徴でして、そこは好みがわかれるところですが、とにかく仕事量が多い作曲家ですので、知らず知らずのうちに聴いてたみたいなことがあるのではと思います。
18位『彼氏彼女の事情』1998年「天使のゆびきり」福田舞
藤井フミヤ作曲のオープニングテーマ曲。これも「CHA-LA-HEAD-CHA-LA」と同じでツボを押さえて90秒間でキッチリ起承転結がはっきりしている一曲です。
イントロがなくいきなり頭からサビになりますね。
いきなりクライマックスでがっちり視聴者の注目を得られやすいので、頭からサビの曲がアニソンには通常のポップソングよりも割合的に多い気がします。
カレカノは庵野秀明監督がエヴァのTV版を終わらせた次のTVアニメで、実験的な要素モリモリのかなり刺激的なアニメです。
原作漫画も少女漫画史に残る傑作なので合わせてオススメしたいですね。
17位『ちびまる子ちゃん』1990年「ゆめいっぱい」 関ゆみ子
曲の構造が「天使のゆびきり」に似てますね。これもサビがいきなり頭にきます。しかし「天使のゆびきり」と違ってこちらにはイントロがあります。
実は「天使のゆびきり」もこの曲もサビで頭打ちと呼ばれるドラムパターンを使っています。簡単にゆうとスネアドラムをタンタンタンタンと四分音符で刻むパターンなんですけど、盛り上げたいときに使うと効果的なリズムなんですよね。ただ効果が強いだけあって使い方もセンスが必要とされるんですけど。
この曲は歌詞の内容にあるような子供ときのお出かけのワクワク感にそって頭打ちが使われてるので、ぴったりのアレンジだと思います。
16位『機動戦士Vガンダム』1993年「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」川添智久
疾走感のあるハードロックナンバー。
と言ってもブルース的なくさみは全く無くて基本的にアップテンポなポップを歪んだギターでアレンジした一曲。
なのでアツいんですけど過度に暑苦しくないというか非常にキャッチーで聴きやすく、ガツンと盛り上がる一曲。
実はこの曲もイントロから頭打ちのビートでガツンと盛り上げてる曲なんですよね。アニソンと頭打ちの相性がわかっていただけたかと思います。