気持ちのいい陽気の日や、朝目覚めたての時に聴きたい、胸のすくようなさわやかな曲をご紹介したいと思います。
1. ザ・キュアー「イン・ビトウィーン・デイズ」The Cure “In Between Days”
1978年結成、イギリスのロックバンド、ザ・キュアーのアルバム『ザ・ヘッド・オン・ザ・ドアー』のリードシングル。
ザ・キュアーはゴスバンドのカテゴリーに入れられることもあって、アルバム曲は陰鬱な曲が多いです。
その一方で、さわやかでポップなシングル曲も多いんですよね。
しかしながらこの曲の歌詞は結構暗く、恋人との別れの曲。
ポップで楽しげなメロディに暗い歌詞を載せるというパターンは意外とありますが、日本ではあんまり聞かないですね。
キュアーのさわやかな曲といえば、他にも「フライデー・アイム・イン・ラブ」”Friday I’m in Love” などもオススメです。
2. デヴィッド・ボウイ「リトル・ワンダー」David Bowie ”Little Wonder”
今なお影響力の衰えない伝説的なロックシンガー、デヴィッド・ボウイの90年代のアルバム『アースリング』からの一曲。
当時流行っていたドラムンベースやジャングルビートを取り入れた意欲作。
この時期のボウイは今はあんまり評価されていないんですけど、筆者はこのアルバムが結構好きで繰り返し聴いています。
クリアできらきらして、どこか暖かいサウンドが、心地よいんですよ。
本作の収録に使われた録音スタジオは、窓が多く、光をふんだんに取り入れた場所でした。
その話を聞くとどことなくレコーディングの様子が伝わってくるような気がしますね。
3. クランベリーズ「ドリームス」 The Cranberries “Dreams”
アイルランドのロックバンド、クランベリーズ1993年のデビューアルバム、『ドリームス』(原題:Everybody Else Is Doing It, So Why Can’t We?)からの一曲。
ボーカルのドロレス・オリオーダンは残念ながら、46歳の若さで急逝してしまいました。
トム・ハンクスとメグ・ライアンが主演のラブ・コメディ『ユー・ガット・メール』の主題歌に使われたり、ウォン・カーワイ監督の香港映画『恋する惑星』のエンディングでもフェイ・ウォンによるカバーバージョンが流れます。
4. プリテンダーズ「ドント・ゲット・ミー・ロング」The Pretenders “Don’t get me wrong”
クリッシー・ハインド率いる、ポップ・ロックバンド、プリテンダーズの1986年のヒットナンバー。
いかにも80年代っぽいキラキラしたサウンドが、はねるリズムにのって軽快にながれてとても気持ちがいいです。
僕にとっては非常に中毒性の高い曲で何度も聴いてしまうんです。
メロディもそうだけど歌詞もいい。
Don’t get me wrongは「誤解しないで」という意味で、好きな人の前でついおかしな行動をとってしまうけれど、誤解しないでね、という内容です。
これだけで胸キュンですよね。
ハインドがブリティッシュ・エアウェイズの飛行機に乗っているとき、アナウンスの際に何度か流れるジングルが、DON’T- GET- ME- WRONGといっているように聞こえたことから着想を得たらしいです。
5. ライド「テイスト」Ride “Taste”
1988年結成のイギリスのロックバンド、ライドのデビューアルバム『ノーウェア』(Nowhere) からの一曲。
1996年に解散しましたが、2014年に再結成を果たしました。
ギタリストのアンディ・ベルはなぜかベーシストとしてオアシスに参加していました。
ライドはシューゲイザーと呼ばれるジャンルの重鎮として知られています。
しかし、よりサイケデリックなサウンドを展開したり、後期はシンプルなロックをやったりと意外と幅が広いバンドでもあります。
ブリブリしたベースと鐘のように鳴り響くギターが気持ちいいさわやかなナンバーですね。
6. ケイジャン・ダンス・パーティ「カラフル・ライフ」Cajun Dance Party “The Colourful Life”
残念ながら一枚で解散してしまったイギリス、ロンドン出身のバンド、ケイジャン・ダンス・パーティのアルバム『カラフル・ライフ』(The Colourful Life 2008年発表) から。
元スウェードのギタリスト、バーナード・バトラーによるプロデュースです。
この曲はCD屋で偶然視聴して知ったんですが、一発で気に入りました。
そのときは買わなかったのですが、後ほど購入。アルバムとしてはまあまあの出来ですが、これだけは本当に名曲だと思います。
多幸感あふれる一曲。
どうでもいい話ですがイギリス英語なのでカラフルのつづりがColourfulですね。アメリカ英語だとColorfulになります。
7. ザ・ラーズ「ゼア・シー・ゴーズ」The La’s “There She Goes”
たった一枚のアルバムで解散してしまったイギリス、リバプール出身のロックバンド、ザ・ラーズによる1988年のシングル曲。
とにかく中心メンバーのリー・メイヴァースが完璧主義過ぎて、アルバムの製作が遅々としてすすまなかったんですね。
業を煮やしたレコード会社は勝手に作品を仕上げてアルバム『ザ・ラーズ』をリリース。
リーは激怒して「買うな」とメディアで発信していたんですが、このアルバム、とんでもなく出来がいいんです。
今回紹介した「ゼア・シー・ゴーズ」のような、エヴァーグリーンな楽曲が沢山つまってますので、丸ごとこの季節におすすめですね。
まとめ:さわやかさを演出する要素とは
さて、こうして並べていろいろ聴いていきましたが、いったいどんな楽曲が爽やかさを演出するんでしょうか。要素を抽出してみました。
- ギター:アコースティックギター、もしくはきらきらしたエレキギター、12弦だとモアベター。
- リズムが跳ねている、もしくは軽快である。
- シンセサイザー:透明感のあるリバーブ、コーラスのよく効いた音。
- 明るい曲調、短調ではなく長調である。
- 青空のような広がりを感じる。それはシンプルなベースとドラムの組み合わせであらわされることが多い。もしくは上ものが無音になってリズムとベースラインとシンプルなメロディーをきかせる部分がある。
いかがでしたでしょうか?
あとはイギリスのバンドが多かったですね。
分析したら同じような爽やかな曲が作れるかもしれません。
気持ちのいい陽気の日に聴きたい、そして何故か人生に前向きになれるような、そんな雰囲気を演出してくれる曲をおおくりしました。