みなさんは音楽を聴くときベースギターを意識して聴くことはありますでしょうか。
普段ベースを弾く方は結構意識して聴いているかと思います。
が、そうでない方は、ベースに注目して音楽聴くことって、なんとなく少ないんじゃないかなって思います。
今回はベースに注目してみようという企画でして、ベースに興味を持ってもらえるような、ベースのカッコいい曲を選んでみました。
ベースライン、ベースリフ、ベースソロと、3つのセクションに分けて、紹介していきたいと思います。
ベーシストの方はプレイの参考になると思います。
1. ジャミロクワイ「エマージェンシー・オブ・プラネット・アース」Jamiroquai ”Emergency on Planet Earth”
アシッド・ジャズで最も成功したアーティストであり、90年代の音楽シーンの一角と担った大物アーティストがジェイ・ケイを中心とするバンド、ジャミロクワイ。
日本でもサードアルバムの『トラベリング・ウィズアウト・ムービング~ジャミロクワイと旅に出よう~』が大ヒットしました。
さてそんなジャミロクワイの初期のサウンドを支えたベーシストといえばスチュワート・ゼンダー(Stuart Zender)です。
彼の名演は沢山あるんですけど、今回はデビューアルバムの表題曲「エマージェンシー・オブ・プラネット・アース」を紹介したいと思います。
スラップを中心としたメロディアスかつファンキーなプレイがカッコいいです。
ジャミロクワイはその音楽の性質上とてもベースは重要な役割を担っていますので、ベースの名演は多いです。
スチュワート・ゼンダーは残念ながら3枚目の後で脱退しちゃうんですけど、その後もベースがいい曲は沢山あるんですね。
ベーシストはぜひともチェックしておきたいアーティストです。
2. ニック・ロウ「アイ・ラブ・ザ・サウンド・オブ・ブレイキング・グラス」Nick Lowe “I Love The Sound Of Breaking Glass”
エルヴィス・コステロのプロデュースなどで知られるニック・ロウのデビューアルバム『ジーザス・オブ・クール』(Jesus of Cool)からの一曲。
ニック自身がベーシストですが、この曲では Andrew Bodnarがベースを担当しています。
メロディアスかつ軽快なリズムで曲を引っ張るそのベースプレイは一聴の価値があります。
そしてベースに限らず、すべてのパートがカッコいい、アレンジの教科書的な1曲。
3. ザ・クラッシュ「ロンドン・コーリング」(The Clash “London Calling”)
パンクロックの代表的な一曲としても知られる、ザ・クラッシュの「ロンドン・コーリング」。
そのイントロを彩るのはベーシスト、ポール・シムノン(Paul Simonon)によるベースのリフです。
この曲の持つ不穏な雰囲気は、どっしりとしたこのカッコいいベースに支えられているといっても過言ではありません。
4. デヴィッド・ボウイ 「夜をぶっとばせ」(David Bowie “Let’s Spend The Night Together”)
死後なおその影響力を強め続けている重要アーティスト、デヴィッド・ボウイ。
そんな彼の最盛期とも言える70年代の名作郡のうちの一枚『アラジン・セイン』からローリング・ストーンズのカバー「夜をぶっとばせ」をピックアップ。
この時期のボウイはいわゆるグラムロックというジャンルにくくられるのが一般的ですし、パンク以前の演奏ですが、パンク以上にパンク的なこのナンバーを紹介せずにはいられません。
ストーンズの原曲が呑気にみえる程の狂気と狂騒があふれるこの暴力的な演奏をリードするのは、縦横無尽に駆け回るメロディアスかつ凶悪なTrevor Bolderによるベースです。
Aメロ部分はブギーに良くあるようなフレージングなんですけど、サビに向かってBメロで加速していくベースラインは実にスリリングです。
あまり言及されることはありませんが、めちゃくちゃ格好よいベースラインです。
5. ローリング・ストーンズ「悪魔を哀れむ歌」(The Rolling Stones “Sympathy for the Devil”)
ローリング・ストーンズの絶頂期に発表された名曲。
ダンサブルで荒々しいベースラインが魅力的です。
実はこのベースは、ベーシストのビル・ワイマンではなく、ギターのキース・リチャードによるもの。
ビル・ワイマンの演奏に満足できなかったキースが「俺にやらせろ」とかいったかはわかりませんが、ポジションを奪ったそうです。
実にギタリストが弾いたベースらしいといえばらしい演奏ですよね。
6. レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「パラレル・ユニバース」(Red Hot Chili Peppers “Parallel Universe”)
ベースの特集で彼を欠かすことはできませんね、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリー(Flea)です。
実はこの曲は彼が普段得意とするファンクを下敷きにしたプレイではないのですが、ずっと細かいフレーズを弾きつづける演奏のその正確さに度肝を抜かれるはずです。
これは一曲通すのも大変そうですので、ベーシストは練習メニューに加えてもいいかもしれません。
7. スクエアプッシャー「テトラ-シンク」(Squarepusher “Tetra-Sync”)
エレクトロニック・ミュージック、IDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック)シーンをリードするスクエアプッシャーことトーマス・ジェンキンソン。
いわゆる電子音楽が主戦場の彼ですが、ベースも演奏できるのです。
いや、演奏できるとかそんなレベルではなく、先ほど言及したレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベース、フリーに「地球上で最高のベースプレイヤー(the best electric bass player on the earth)」と言わしめるほどの実力者でもあります。
今回取り上げるのは、全編ベース演奏をフィーチャーしたこのナンバー。
この曲を収録し、彼のベース演奏が存分に堪能できる2004年発表のアルバム『Ultravisitor』もオススメです。
このようにバンド勢以外、クラブミュージックや電子音楽系もカッコいいベースラインが沢山あるんですよね。
というかある意味バンド以上に低音が命になってきます。
普段低音はシンセサイザーや打ち込み音源で表現されることが多いこのジャンルですが、是非ベーシストの方は低音に注目して聴いてみて欲しいです。
低音がカッコいい曲はそれこそ無数にあって、きりがありません。
8. マッシヴ・アタック「セイフ・フロム・ハーム」(Massive Attack “Safe From Harm”)
イギリス、ブリストル出身の音楽ユニット、
マッシヴ・アタック (Massive Attack) の大名盤1stの、ど頭の一曲「セイフ・フロム・ハーム」(Safe From Harm) 。
いつもこのベースのイントロでワクワクします。
シンプルなフレーズの繰り返しですが、一曲弾き続けるのは結構大変でして、
ベース練習曲としても重宝するかと思います。
9. アース・ウインド&ファイア「ハッピー・フィーリン」(Earth, Wind & Fire “Happy Feelin'”)
ベースの特集でファンクやディスコを取り上げないわけにはいかないですよね。
アース・ウインド&ファイアはR&Bやディスコ、ソウル、ジャズなどをうまく融合させて、グルーヴィで誰もが夢中になる極上のファンクサウンドを作り上げた伝説のグループです。
そんな彼らの楽曲の中でもベースが恰好良くてファンキーかつポップな「ハッピー・フィーリン」を取り上げたいと思います。
疾走感がありつつもグルーヴがあって理想的なベースラインですよね。
ベーシストはヴァーダイン・ホワイトです。