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みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100【アーティスト別データ編】

みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100の関連記事です。本記事ではアーティスト別のデータを見ていき、ベスト100の並びをみただけではわからない事実を提示していきたいと思ってます。予想していたよりもなかなか興味深い結果になりました。

アーティスト別の得点ランキング

まずはアーティスト別の得点ランキングを見ていきたいと思います。今回のルールをおさらいしますと一人30枚選んで順位をつけて投票してもらって、1位のアルバムには30点、2位は29点…30位は1点と加点していって点数の高い順にランク付けしていったわけですが、今回はいただいた票を元にアルバムごとではなく、アーティストごとに得点数を集計してみてランキングを作成してみました。つまりAというアーティストの『B』『C』『D』というアルバムがそれぞれ100、50、10点獲得していたとしたら160点がAというアーティストの総合得点になります。

30位から21位

30位 岡村靖幸 577点
29位 サザンオールスターズ 596点
28位 ASIAN KUNG-FU GENERATION 608点
27位 フジファブリック 609点
26位 宇多田ヒカル 690点
25位 andymori 695点
24位 BLANKEY JET CITY 758点
23位 荒井由実(松任谷由実) 777点
22位 SUPERCAR 834点
21位 キリンジ 841点

29位 サザンオールスターズ28位 ASIAN KUNG-FU GENERATIONは残念ながらトップ100にアルバムが一枚もランクインしていませんでしたが、596点608点も獲得していました。100位がイエロー・マジック・オーケストラ『テクノデリック』158点だから十分100位以内にランクインさせるほどの得票はあったんですね。ただファンの間で票が割れてしまったためランキング外でした。

20位から16位

20位 大滝詠一 853点
19位 フリッパーズ・ギター 876点
18位 椎名林檎 882点
17位 RCサクセション 911点
16位 電気グルーヴ 928点

20位 大滝詠一4位のアルバム『A LONG VACATION』 610点でしたから大滝さんが人気だったというよりは『A LONG VACATION』が異常に評価が高いという、ファンとしてはちょっと複雑な結果ですね。ほかのアルバムも当然素晴らしいのでこれを機会に是非深めて聴いてもらいたいです。

16位 電気グルーヴはサザンやアジカンと違って非常に上手に票が割れていました(笑)。その結果『A』『VOXXX』『VITAMIN』『DRAGON』と4枚もトップ100にランクインしていました。ここら辺の世渡り上手な感じが本人たちの飄々とした佇まいに重なるという(笑)。この後に出てくる得点数上位のアーティストもランクインは1,2枚だったりするので、本当にすごいことです。

15位から11位

15位 中村一義 936点
14位 山下達郎 948点
13位 GRAPEVINE 965点
12位 小沢健二 971点
11位 THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 973点

14位 山下達郎(948点)と13位 GRAPEVINE (965点)ですが、ものすごい点数を獲得しているにもかかわらずそれぞれアルバムランクインは33位『FOR YOU』57位『Lifetime』の一枚のみ…。両アーティストとも長いキャリアの中でクオリティの高い作品を発表し続けてきたことが逆に仇になってしまいましたね。

10位から6位

10位 イエロー・マジック・オーケストラ 1006点

YMOはトップ100に『BGM』『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』『テクノデリック』の3枚ランクインしていたのでこの結果は妥当かと。ほかのアルバムにもそれなりに票は来ていましたが、やはりこの3枚が代表作という認識のようです。

9位 はっぴいえんど 1114点

トップ100ランクインが2位の『風街ろまん』のみで 得点906点ですからほぼ8割がた『風街ろまん』の評価という…。はっぴいえんどというバンドが高く評価されているというよりは『風街ろまん』というアルバムが評価されている感じですね。歴史的な価値はひとまず置いておいて、確かに人気の高さも納得の優れたアルバムなんですけどね。『風街ろまん』好きでまだ彼らのファースト(『はっぴいえんど』)を聴いたことないというかたは是非聴いてほしいと思います。

8位 細野晴臣 1140点

日本のポップス、ロック史を語るうえで絶対に無視できない(あんまり強調しすぎるとまた「はっぴいえんど史観とかしかられちゃうんですけど)存在ですから、この順位も納得ですね。『HOSONO HOUSE』『泰安洋行』が30位以内にランクインしていましたし、ほかのソロアルバムもまんべんなく投票がありました。しかし10位YMOで9位がはっぴいえんど、8位がソロっていうこの並び。個人のアーティストでの総得点数は完全に一位ですね…。

7位 NUMBER GIRL 1144点

ライブを除くメジャー3作品がすべてトップ100にランクイン。やはり得点でも上位でした。

6位 サニーデイ・サービス 1258点

『東京』『サニーデイ・サービス』『MUGEN』『愛と笑いの夜』『DANCE TO YOU』と5枚もランクインしていましたからね…。引くほど強かったですね…。人気のあるバンドで僕も大好きですけどここまでとは思わなかったです。

5位から1位

5位 Cornelius 1286点

細野さんを抑えてソロアーティストでこの順位というのは快挙なんじゃないでしょうか。『FANTASMA』『POINT』とトップ100入りは2枚だけでしたけど、それぞれ5位、13位と非常に高い順位でした。もちろんほかのアルバムにも票は来ていました。

4位 フィッシュマンズ 1543点

今回ファンが最も美しく連携が取れていたのは間違いなくフィッシュマンズでしょうね。その甲斐あってか、3位『空中キャンプ』(730点)、12位『宇宙 日本 世田谷』(424点)と、かなりの高い順位にアルバム2枚を送り込んでいます。そして実は104位 『98.12.28 男達の別れ』(148点)、141位 『LONG SEASON』(118点)も入っていたりするんですね。ただその連携の反動か、『Chappie, Don’t Cry』『King Master George』『Neo Yankees’ Holiday』という初期のアルバム群がまさかの0票という結果になっています…。

3位 スピッツ 1570点

人気、実力、評価がすべて一致する稀有な例。うるさ型の音楽ファンから、一般的なライトユーザーまで様々な層の支持を得ているバンドですが、今回それが露骨に表面化した気がします。強すぎる…。『名前をつけてやる』『フェイクファー』『ハヤブサ』『スピッツ』と4枚のアルバムをトップ100にランクインさせました。日本で一番人気のバンドは何?という質問に答えが出た気がしますね…。どなたかもおっしゃっていましたけれどランクインしたアルバムが、彼らのヒット作で一番一般的で人気も高い『ハチミツ』や『三日月ロック』じゃないんですよね。有名だから単に票をあつめているってわけでもないんです。すごいです。

2位 くるり 1639点

くるりもサニーデイと並んで引くほど強かった…。『図鑑』『ワルツを踊れ』『TEAM ROCK』『THE WORLD IS MINE』『アンテナ』と5作品もトップ100入り。音楽性を結構大胆に変えてきたバンドですけど、それぞれが高評価で、それぞれの好みのアルバムが選ばれた結果がこの点数とランクイン枚数なんだと思います。それにしてもくるりとサニーデイでトップ100の10分の1ですからね。偏ってると批判されても仕方ないかもしれないですね(笑)。

1位 ゆらゆら帝国 1811点

3位以下を圧倒的に引き離して見事1位だった『空洞です』をはじめ、『3x3x3』『ミーのカー』と3枚のアルバムをトップ100にランクインさせたゆらゆら帝国が見事2冠となりました。ほかのアルバムにも票が結構集まっていたので得点数一位は当然の結果でしたね。

アーティスト別得票作品数ランキング

次はアーティスト別得票作品数ランキングを見ていきたいと思います。これは単純に1アーティストにつき、何作品が得票していたかをランキングにしてみました。ちなみに6位以下は得票作品数が同じアーティストが結構ゴロゴロしていたので5位からの発表です。

5位 サザンオールスターズ、荒井由実(松任谷由実) 11枚

サザンもユーミンもキャリアが長く、人気も凄まじいので納得ですね。アーティスト別の得点ランキングとここは重なっていますね。

4位 Mr.Children、坂本龍一、エレファント・カシマシ、くるり 12枚

4位は面白いです。トップ100に一枚もランクインしなかったアーティストが3組もいました。

「ミスチルがはいってないぞー」っていう意見は結構きてたんですけど、総合得点こそベスト30には入らないものの作品数では結構来ていたんですね。やっぱりキャリアが長くて音楽性も結構変化してますので無理もないといえばそうですね。ランキングを発表したときに所謂売れてるアーティストがランクインしていないから偏っているという批判もありましたけど、角度を変えてみると売れてるなりの得票はあったんですよね。

同じく教授(坂本龍一)もキャリアが長くいい作品が多いので票がわれていましたね。評論家筋からの評価が高い『B-2ユニット』ぐらいは100位以内にくるかとおもっていたんですが…。活動の規模、世界的な評価を考えてももっと票が集まってもよかったと思っています。

エレファント・カシマシはトップ100に入らないまでももっと票が来るかとおもっていましたが、それほどでもなかったです…。しかし枚数は堂々の4位でやはりキャリアが長いので票もばらけて仇となりました。

くるりに関してはアルバムトップ100を見ても、アーティスト点数別ランキングもみても「まあそうだろうな」という、なんの意外性もない順位ですのでノーコメントで(笑)。

3位 スピッツ 13枚

まあそうですよね(笑)。2020年8月時点で彼らのオリジナルアルバムは16枚ですから8割以上のアルバムに票があったことになります。すごいです。

2位 山下達郎 14枚

納得の順位ですね。最高の作品を発表し続けてきた人ですから。この枚数ランキングはベスト100での存在感とは違ったアーティストが上位に来ているところが面白いですね。サブスクリプションサービスでの音源の配信があったら、『FOR YOU』以外のランクインもあったのでは? と思います。

1位 GRAPEVINE 16枚

GRAPEVINE: Next Steps

なんらかのランキングでGRAPEVINEが一位をとったことがあったでしょうか!? 人気も評価も高いのに、今までなかなか可視化されてこなかったと思うんですよね。そのことに僕含めファンも若干もやもやしていたとおもうんですけど、今回のこの2種類のランキングで人気も評価もかなり高いということが十分しめせたと思います。それがわかっただけでも今回の投票やってよかったなと。彼らの作品はオリジナルアルバム16枚です。今回の投票はミニアルバムもありだったので、『Everyman, everywhere』『MISOGI EP』も入っており、オリジナルアルバムは『BABEL, BABEL』『ROADSIDE PROPHET』以外は全部票が入っていました。つまり、9割の作品に票があったことになります。これは、彼らがずっとファンを満足させるクオリティの高い作品を発表し続けてきた証でもあると思います。すごいです。そして何よりこの結果にはファンの皆さんが一番喜んでいましたね。

まとめ

ということでランキングを別の角度から見てみました。なかなかトップ100だけをみていただけではわからなかったことがわかって面白かったんではないでしょうか。

特にランキングだけ見てもやもやしていた、ミスチルサザン、そしてGRAPEVINE山下達郎さんのファンにはある程度溜飲が下がって納得していただけたのでは、と思います。

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